【可食インク編】食品工場向けフードプリンターを知る

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可食インクとは

可食インクの定義

可食インクとは、食品に直接印刷できる「食べられるインク」のことです。食品衛生法など各国の基準に基づき、食品添加物や天然由来成分で構成されています。通常のインクのように有害成分を含まないため、ケーキや和菓子、チョコレートなどに安心して使用できるのが特徴です。

可食インクの主な用途

可食インクは、誕生日ケーキや記念日ケーキに写真やイラストを印刷する際に使われます。また、和菓子や最中には四季を感じさせる絵柄や企業ロゴを印刷することができます。さらに、チョコレートやキャンディにはブランド名やメッセージを加えられるため、ノベルティやギフト用途でも人気があります。近年では、食品パッケージの代替として賞味期限やロット番号を食品そのものに直接印字する活用例も増えています。

一般インクとの違い

一般的なインクは有機溶剤や顔料を含み、食品に触れると健康被害のリスクがあります。それに対して可食インクは食品添加物や食材由来の成分だけで構成されており、摂取しても安全性が確保されています。さらに食品の油分や水分に対応できるように設計されているため、発色が安定しにじみにくいのも大きな違いです。

印刷できる食品の種類

洋菓子ではケーキやクッキー、マカロン、キャンディなどが代表的です。和菓子では最中やどら焼き、饅頭などが印刷対象になります。チョコレートやキャンディのように油分の多い食品にも対応可能で、さらにパンや米菓といった焼き菓子類、水産加工品や健康食品など工場で生産される加工食品にも広がっています。

可食インクを活用したフードプリンターの仕組み

可食インクは、専用のフードプリンターによって食品に印刷されます。基本の仕組みは家庭用のインクジェットプリンターと同じで、微細なインク粒子を食品表面に吹き付ける方式が主流です。食品の種類に合わせてインクの粘度や浸透性が調整されており、発色の鮮やかさとにじみ防止が両立されています。

フードプリンターは、平らな食品表面に高精細なデザインを再現できるインクジェット方式を採用しています。可食インク専用のノズル設計が行われており、食品用のインクが安定して噴射できるようになっています。また、食品工場向けのモデルでは、衛生管理を徹底できるよう洗浄やメンテナンスがしやすい構造が採用されています。チョコレートや水産加工品など素材に合わせて印刷条件をカスタマイズできる点も特徴で、可食インクとフードプリンターはセットで開発されることによって安定した品質を実現しています。

インクにはどのような種類があるのか

可食インクは、大別して天然色素インクと合成色素インクがあります。天然色素インクは植物など自然由来の素材を使っており、柔らかな風合いの色を表現できます。合成色素インクは人工的に作られた色素を使用したインクで、鮮やかな色を表現可能です。このほか、耐水性など機能性を高めた特殊インクがあります。

可食インクの安全性は？

可食インクで使用している色素は、食品衛生法上の食品添加物に分類されます。厳しい基準をクリアしているため、安全性には問題がありません。ただし、国によって食品添加物の認可状況は異なります。プリントした食品を海外へ輸出する際は、該当する国の認可状況を確認する必要があります。

可食シートとは？

可食シートは、食品の装飾に使用する薄いシートのことをいいます。主な成分はゼラチンやデンプン（オブラート）です。可食インクは食品にデザインを印刷しますが、加飾シートはクッキーやマシュマロなど、さまざまな食品の表面に貼り付けて使用します。菓子店やカフェなどの店舗向けです。