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フードプリンターの印刷方式

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フードプリンターとは?

フードプリンターとは、食品に写真やロゴ、文字などのデザインを可食インクで印刷する専用機器です。食品表面に直接プリントするタイプと、エディブルシート(可食フィルム)に印刷して貼り付けるタイプの2つがあり、店舗や工場などの多様なシーンで導入が進んでいます。

フードプリンターの印刷方式とは?

印刷方式とは、インクを食品またはフィルムに転写するためのメカニズムのことです。方式によって、使用できるインクや仕上がり、機械のサイズや耐久性が異なります。ここでは、主に採用されている3つの印刷方式をご紹介します。

サーマル式(熱転写方式)

特徴と仕組み

サーマル式は、熱でインクを加熱し、食品表面またはエディブルシートに転写する方式です。熱に反応する可食インクを使用し、高解像度の印刷が可能です。

メリット

  • 高解像度で細かいデザインの再現が可能
  • 構造がシンプルで小型化しやすい

デメリット

  • ノズルの詰まりやすさ(乾燥に注意が必要)
  • 熱でインクが劣化する可能性がある

ピエゾ式(圧電方式)

特徴と仕組み

ピエゾ式は、電圧によって変形する圧電素子がインクを押し出して印刷する方式です。熱を使わず、インクを精密にコントロールできるため、色の再現性が高く、高精細な印刷に適しています。

メリット

  • インクの吐出量を高精度に制御可能
  • 熱を使わないためインクの安定性が高い
  • アルコール系のインクも対応可能

デメリット

  • 構造が複雑で小型化が難しい
  • 気泡混入によるノズルトラブルに注意

コンティニュアス式(連続式)

特徴と仕組み

コンティニュアス式は、インクを連続的に噴射しながら、帯電させた粒子を電極で偏向して食品に印字する方式です。主に賞味期限やロゴなど、簡単な印字に用いられます。

メリット

  • 高速で印字が可能
  • 乾燥性の高いインクを使用可能

デメリット

  • 解像度が低く、複雑なデザインには不向き
  • 構造が大掛かりでプリンターが大型化しやすい

印刷方式とインクの関係

印刷方式によって、使用可能なインクの種類が異なります。例えば、ピエゾ式はアルコール系インクも使えるため発色が鮮やかで、乾燥時間も短くなります。一方、サーマル式は高温に耐えられるインクが必要となるため、対応インクが限定される傾向にあります。

印刷方式ごとの使い分けのポイント

用途や素材に合わせて選ぶ

  • 細かいロゴや写真 ⇒ ピエゾ式やサーマル式が適応
  • 単純な文字や賞味期限 ⇒ コンティニュアス式が効率的

導入環境や運用頻度も考慮

  • 常時稼働の生産ラインにはピエゾ式
  • 小型店舗での軽用途にはサーマル式

まとめ:印刷方式を理解して最適な導入を

フードプリンターの印刷方式は、導入効果に直結する重要なポイントです。製品の特性や目的に応じて最適な方式を選ぶことで、高品質な印刷と効率的な運用が実現します。インクとの相性や耐久性も含めて総合的に判断し、自社に最適なフードプリンターを選定しましょう。